中学受験を通して「勉強のやり方」を教えていただいた感謝

32期生(2025年卒) 受験生・保護者(母)

 息子がエデュコにお世話になったのは、五年生の十二月からでした。元々私立受験向けではない塾には通っていましたが、五年生の秋に城北中学の文化祭に行って本人が受験したいと希望したことをきっかけに、急いで塾を探しました。受験まで一年ちょっとの短期間で目指す学校も決まった状態だったため、城北中学の合格者の割合が高く(授業自体と受験戦術的ノウハウの両面で最適なはずと考え)、かつ本人が継続できそうな環境か、というのがポイントでした。エデュコは、前者については申し分なく、近所にこんなに最適な塾があるのかと驚きました。後者については、体験授業を通して、「騒ぐところと真面目なところの両方あるところがいい」という本人の感想と、適度でわかりやすい説明に生徒が問題を解いて発言する活気が親の好印象だったことに加えて、小学校の友達がすでに数名通っていることがわかったため、入塾テストを受けました。本人含めた受験意思や集団塾の経験などを面談で話して入塾させていただきましたが、点数評価は偏差値三十五ということで、目標までだいぶギャップがある遅めのスタートを切りました。


 入塾当初はカリキュラムが二年間のおさらいかつ応用に入っていく時期で、例えば算数だと、ニュートン算の問題の中に和差算や割合の問題が組み合わさっていたり、図形分野も移動や立体図形に入るところで、未修単元を含めたキャッチアップが必要で苦戦しました。また授業前後の予習と宿題に加えて、授業の問題もウィークリーテストも間違いが多いためにドジ問の量が多過ぎて、とても時間が掛かかっていました。それもあってか家庭での学習は、親の見ていない隙にYoutubeとゲームに退避していましたが、授業は欠席することなく積極的に通っていました。三カ月くらいで徐々に慣れて理解も増えてきて、テストでも少し結果が出るようになり、勉強自体も少し楽しそうになってきました。余談ですが、息子は受験の前日まで隙間時間を見つけてはゲームを毎日一時間以上やっておりましたが、その息抜きと塾の場が楽しかったおかげで、最後まで安定的に受験勉強を続けられたのではと思います。


 保護者側も不慣れでしたが、保護者会を通じて年間やこれから数カ月で取り組む勉強の狙いと具体的な方法が明示されるため、原則ガイドに従えばよく、その上で個別に補完すべきことや、逆に優先度を落としていいことをET先生(担任講師のニックネーム)に面談で確認することで、効果的に勉強することができて助かりました。特に大きな方針として、六年生夏休みまでは理解重視、以降は合格に向けた戦術重視、というメッセージがまずわかりやすかったです。夏期終了までの期間では、例えば算数は、四科のまとめを繰り返して不明点をなくし基礎力をつけることが最優先、予習シリーズの応用問題は当時の息子には優先度が低いということだったので出来る限りしか取り組まずと、メリハリをつけられました。社会は、地理と歴史の前半単元が未修で合不合判定テストでも明らかに点数が取れずにいましたが、夏期講習の総まとめで取り組めばいいことと地理だけ少し早めに開始するなど時期的なアドバイスも参考になりました。夏期前後の成績は、総合回テストは志望校の目安まで届く程度になりましたが、一方で合不合判定テストの結果は二十%。学力はついてきているように見えましたが、偏差値のギャップはまだまだ大きい状況でした。


 秋期以降の授業は、特に算数について御三家と名門クラスでちょうど判断を迷うところですが、城北で出題される問題レベルと必要な正答率を考えると標準問題までを仕上げていく方法でも可能ではということで、名門クラスを継続しました。
 六年生八月末からの過去問実施期間には、ガイドラインを参考に、第一志望(城北)八回分、第二志望(成城)四回分、第三志望(獨協)三回分の過去問を年内に二巡目まで取り組みました。一巡目はほぼすべての回で合格最低点に届かず、第一志望校は最もよい回でも十八点(五%)未達でした。ただ志望校の試験の時間配分と頻出単元や難易度などの感覚がついたのと、合格基準とのギャップを本人も実感することができました。また取り組み当初は、直しに一科目で最大三時間くらい掛かったため、先生に相談して、目安時間と確認や記述方法を本人に伝えてもらい、少しづつ効率的にできるようになりました。二巡目については、理解が出来た問題は正解できるという自信がついたのと、比較対象が合格最低点ではなく各教科の合格者平均点や自身の改善可能点と比較するマインドになる効果がありました。また、一連の過去問の取り組み結果により、志望校の頻出単元に加えて、本人の得意不得意の単元と難易度による正答傾向なども明確化されていきました。


 並行して秋期からは、記述特訓と答案練習会が始まりました。記述特訓は、息子にとっては唯一テッカ先生の授業でした。毎回緊張するようでしたが、「テッカがこうやればいいって言ってた」と、めずらしく楽しそうに親に説明する姿に、先生の影響力を感じました。おかげさまで、未記入も多かった記述問題の正答率はあがっていきました。答案練習会の場は、初めてのことに緊張する性格の息子にはとても有効な機会で、志望校以外も含めてほぼ全回参加させていただきました。答案練習会の結果は十一月くらいから志望校の合格最低点の目安に届き始めたこともあり、志望校は当初予定通りに設定しました。ただその一方で実は合不合判定テストは最後まで結果が出せず、判定は二十%で偏差値は十以上届いていませんでしたので、答案練習会の機会と結果は、我が家にはとても有難かったです。


 十一月下旬に二月受験の志望校と入試日程をET先生に伝え、本人の性格や取り組み負荷も踏まえて、適当な一月受験校をアドバイスしてもらいました。各校への取り組みとしては、直前に二回程度の過去問を実施しました。一月受験校については初日に合格しておきたい学校(大宮開成)に合格でき、その後に不合格はありましたが(栄東)、時間的にも気持ち的にも二月校受験に向けて適当な準備期間が持てました。
 一月からは、一月校受験の準備と本番試験と並行して、第一志望校にむけての仕上げを進めました。ET先生からのアドバイスで、過去問の頻出単元別(算数は図形と場合の数、理科は気体・水溶液と植物と地学系と物理系で理解不十分だった浮力の分野)と、三巡目を実施。加えてまだ実施していなかったもう少し年代の古い過去問を、追加で四回分実施しました。過去問を繰り返した効果もあり、合格最低点を平均十五点(四%)上回る点が取れるようになっていました。これまでの下地があってこそではありますが、最後の最後まで伸びていったことを実感しました。その上で最後二日間は、過去問と時事問題で正答率が低かった苦手分野をやり直しました。


 二月一日の第一志望校の受験では、あれだけ繰り返した効果で、本人曰く「あまり緊張しなかった」そうで、自信をもって実力を出し切れたのではないかと思います。
 今回の受験を通して、息子は中学以降も役に立つ「勉強のやり方」を教えていただきました。他にも、一日八~十時間の勉強耐性や、文章を読む力(元々読書をしないため)、論理的思考力などが身につき始めたこと、本人曰く「興味を持てる得意分野(近現代史と国際社会や経済)ができるきっかけとなった」ことなど、志望校への合格以外にも得たことが多くありました。

 最後に、短期間でこれらの経験と結果を得られたのは、エデュコの先生たちと、一緒に楽しく頑張って引き上げてくれたエデュコ同級生のおかげです。大変ありがとうございました。そして最後の最後に、本人が最後までよく頑張ったと思います。お疲れさまでした。