息子が受験体験記を一生懸命書く姿に私も後押しされ、親の体験記も書いてみようとペンを持ちました。
九年前、長男の中学受験を経験していた私にとって次男の受験も当たり前のように塾探しから始まりました。当然、兄弟で性格も違いますから塾も次男の性格に合っているところをと考えていました。エデュコの入塾説明会では勉強の進め方、ノートの取り方、私が長男の時に無知で後悔した点、受験生を持つ親の気持ちを代弁してくれるお話全てに共感したことを覚えています。
次男は幼少期からモノづくりがとても好きでプログラミングにはまっていたこともあり、将来の目標も決まっていたため、志望校を探すことは簡単でした。五年生でいくつも参加していた各校の文化祭で気になった学校を第一志望に決めましたが、それはあくまでも本人の第一志望。保護者会などで何度も話に出てくる「親の第一志望」とは違います。ただ、受験勉強をする上でこの「本人の第一志望」が先生と共有できていることで常にモチベーションを高め、六年生後半では成績を上げていくことになりました。
息子は算数が苦手で授業では理解して帰ってきても宿題をやる時にはわからなくて泣く、解けないことが悔しくて泣く、なんとなくドジ問を作って終わりの繰り返しでした。「わかるをできるにする」これを身に着けることがなかなかできませんでした。親が先生の代わりに教えることは簡単です。しかし、長男の受験の時に親の指導は子どもを混乱させるだけ、親を頼りにして自分で考えようとしない子になることはわかっていたので、勉強内容に関しては全て先生にお任せしました。親の役目はスケジュール管理、お弁当作り、学校説明会等の参加予約、体調管理、塾への送迎などを徹底しましたが、息子とバトルすることも度々あり、親もストレスがたまりました。
息子は頑張っていることが空回りしているようで、総合回テストや合不合判定テストは算数が足を引っ張り成績はなかなか伸びません。「わかるをできるにする」と言う先生の言葉を信じていいのか不安にもなりました。しかし、答案練習会に参加し始めた頃、息子から「なんだか算数が楽しくなってきたんだよね、解けるとうれしいんだよ」と言う言葉を耳にしました。今までの積み上げてきた「わかる」が「できる」に変わったことを実感できる瞬間でした。そこからはエデュコに行っているから勉強するではなく、受験するから勉強すると言う姿勢に変わったように思います。しかし、このことに気がついた時には周囲の受験生のレベルは上がっており、受験直前の合不合判定テストでは良い結果を得ることはありませんでした。判定はいつも二十パーセント以下、合格圏内には程遠く、このままの志望校でいいのかと何度も悩み、何度も個人面談をお願いしました。親は合格できそうな安全な道を進めがちですが、子どもはエデュコで勉強だけではなく挑戦する前向きな姿勢も学んでいて受験本番まで気持ちが折れることはありませんでした。体調不良で学校を休んでも「エデュコの授業には絶対に行く」と言ったこともありました。エデュコの先生方や友達に会えることは息子の受験の大きな支えになっていたのだと思います。
受験は子どもにも親にも思い通りの結果にはなりません。それでも受験当日の朝、先生方からの激励を受けている息子の目は、とても輝いていてかっこよかったです。先生の目を真剣に見つめ、勇気を貰い、前を向いて挑戦しようとする姿に息子の成長を感じました。
親子共に貴重な体験をさせてくださったエデュコの卒業はとても寂しく感じますが、息子にはエデュコ族として誇れる中学生になることを次の目標として「わかるをできるにする」を実践していってもらいたいと思います。
最後になりましたが、幼い息子にいつも寄り添い温かくご指導いただきました先生方、スタッフの皆様に深く感謝申し上げます。