受験体験記に寄せて

エデュコ代表  湯田伸一

 エデュコ33期生の皆さん、合格・進学おめでとうございます。総勢58名の一人ひとりが確かな「自己実現」、「自己形成」を果たしました。

 毎年、受験該当期の特徴を述べているのですが、33期生はとても一言では言い表せない魅力的な学年でした。七色、十色、いや五十八色としか形容できない、不思議ともいえる個性の持ち主の集まりです。念のために言えば、いわゆる「ふしぎちゃん」ではなく、羨ましいほどの魅力を持った子どもたちでした。


 具体例を挙げれば、①出席確認のときにやたらに大きい声と笑顔で「はーい」を続けた子、②問題を解きながらぶつぶつと、その問題にさらなるストーリーを脚色して正解を楽しんでいた子、③塾講師がイメージする答え方とは程遠いものの、自分の発想にこだわって確かなロジックを立てていた子、④授業中、他者の何倍も「分からない、分からない」を発し続けた子、⑤全てのノートの表紙に「一生懸命」と書いてストイックに走り切った子、⑥正解のときは素直に喜びを表し、不正解のときは人目もはばからず涙ぐんだ子、⑦「中学受験とは何だろう」と自問自答し、悲観と楽観を繰り返した子、⑧正解にたどり着いているものの、さらなる検証や別解に取り組む子、⑨こちらが話しかけても自信を持てず、最後まで遠慮気味にもじもじしていた子等、様々です。
 このように、一人ひとりが「眩しい」と感じさせられるほどの光を発していました。


 いずれのタイプであっても、通底していた学習文化は「できたふりをしない」ということでした。「勉強上手になろう」を合言葉に、ノートに思考枠組みを示すエデュコ流の学習方法を徹底し、自分に厳しく「ドジノート」を作成し、「改善」の喜びを味わいながら、自分を成長させたものです。5年生まで、偏差値とはほぼ無縁の塾通いを続け、偏差値を視野に入れるのは6年生になってからのエデュコ生ですが、「スコアメイク」ではなく「確かな達成感(自己評価)」にこだわり、実力者となった彼らは、スキージャンプにたとえると、まさに「K点越え、続出」の美技を見せてくれたと言えます。


 そのK点越えの様相は、レアな数名の偉業ではなく、大半の子どもたちにあてはまるもので、入試時がパーソナルベストとなったと言えます。
 受験生の体験記、保護者の体験記にも成長を自負する記述が目立ちました。例えば、受験生の体験記では「恥ずかしながら、私は最初偏差値が40もありませんでした。(略)偏差値60くらいの学校に合格することができました」とあり、保護者体験記では「信じられますか?12月の合不合でも合格20%以下、4科の偏差値40代前半だったんです。本当に合格?と本人も驚いていました」とあります。

 エデュコ流の場合、例年このような流れで入試を乗り越えていきます。前記の2例は、実は大半の方にもあてはまるもので、他の方々が、記述していないだけと言っていいものです。


 さらに言えば、「偏差値に縛られない特効薬がある」かのごとく、うそぶくものでもありません。毎回授業前に、子どもたち一人ひとりの家庭学習の状況を点検し、①算数の図や条件整理の方法、ドジ問(改善記録ノート)の作成方法、②国語の読み取り方や解答要領の「型」の確認、③理科・社会の誤答を改善するノートの作成方法などを確認し続け、真の実力養成を図ったものです。

 正直に言えば、根気のいる営為です。いやそれ以上に特筆したいことは、「健気な」子どもたちの自己研鑽です。子どもたちに元気をもらいながら、みんなで「勉強上手」を目指し続けられました。

 要は、エデュコが唱える中学受験の意義である「どれくらい頑張れるか」「どれくらい変われるか」を自問自答しながら走り続け、受験校の選定・受験に至るまでそれらを実践できたか否かを問うものです。
 相対比較で自分を評価するのではなく、「自分自身の変化」を確認しながら前に進むのがエデュコ流です。それは、冒頭挙げたように笑ってしまうくらい、個性たっぷりの子どもたちの可能性を否定することなく、本人・保護者・エデュコスタッフの三位一体で成長を楽しんだものです。

 皆が高い「自己評価」と「やれば変われる」という経験を得ることができました。

 

 恒例となっている「駅看板用写真」の撮影日にいらした保護者の方々の表情も、「達成感」に満ち、我が子の「合格短冊」を何度も見返し写真に収める様子は微笑ましく、とりあえずの「親業」の達成に安堵する表情が印象的でした。

 翻ってその光景を目の当たりにできることは、塾講師の「やりがい」でもあります。

 

 いつものセリフを「贈る言葉」にします。

・勉強は手を使おう!「(脳みそは要らない)手みそだよ!」。

・がっかりはすぐに断ち切ろう!「気分を変えて、ページを変えて!」。

・堂々と前へ進もう!

 2026年3月吉日